アトラスオオカブトの思い出
毎年夏には絵画制作の授業で虫捕りの絵を描きます。
虫を大きく全面に描き、麦わら帽子を被り虫捕り網を持った「自分」を小さく下の方に描きます。
授業ではクワガタムシを描いて虫のカラダを研究します。
今まで楕円に棒6本が刺さっているような絵を描いていても
頭・胸・腹(または胸腹)を意識して描くと
たちまち絵に迫力が出てきます。
授業をふまえて虫捕りの絵をスケッチブックに描いてくる、という宿題を出します。
このように力作が提出されます。
Sくんはスケッチブックの宿題の他に
1枚の紙に別の虫を描いてきました。
鉛筆で描かれたカブトムシです。
力の強弱と濃淡の塗り分け、腹の部分に薄く緑色が重ねられています。
「これはね、○○カブトだよ。」
虫の名前に疎い私には初めて聞く名前でした。
生き生きととした絵と同じくらい
生き生きとした嬉しそうなS君の笑顔。
思わず「このカブトの絵、先生にくれる?」と尋ねると
S君はちょっと考えて
「そりゃあダメだよ、先生。」と答えました。
もともと凝り性で好きなことを追求するタイプのS君。
正確に丁寧に絵を描くことは彼にとって「楽しい時間」だったのでしょう。
お家でも真剣に宿題に向き合い、
納得するまで取り組むとお母様が仰っていました。
それから工作でも絵画でも
指示通りの作業を進めていてもS君らしい表現が更に光るようになりました。
同じことをしていても光るもの輝くもの、それが個性だと思います。
先日、写真のデータを整理していた私は
絵をもらうことに失敗して写真に撮らせてもらったS君のカブトムシを見つけました。
「なんていう名前のカブトムシだったかしら」
ダメもとでS君のカブトムシの絵にグーグルレンズを当てて検索すると
「アトラスオオカブト」という結果がでました。
グーグルレンズも認めたS君の画力!恐れ入りました。
S君、アトラスオオカブトで合ってる?念のため、教えてね。
ご無沙汰しております。
ときどきホームページに立ち寄らせていただいております。
その節は大変お世話になり、ありがとうございました。
カブトムシの絵を見て、すぐにわかりました。
息子に見せたところ「オレが描いた絵だ!アトラスオオカブトだよ」と即答し、妻と3人で当時を思い出しながら記事を拝見いたしました。
今は2年生で元気に学校に通っています。
最近は、夜、職場から電話をしても、息子が「今勉強中だから!」との返事をする
ことも多く、親としても負けちゃられない!と元気をもらっています。
本来のんびり屋の息子ですが、鉄棒で後ろ回りとか、跳び箱の8段を飛んでいるようです。
原先生にならった体操が土台になってる!と妻も申しております。
先生方におかれましては、時節柄、どうぞご自愛くださいませ。
S君のお父様!
メッセージをありがとうございます。
ご無沙汰しておりますがお元気そうなご様子、本当に嬉しいです。
アトラスオオカブト、正解だったのですね。さすがS君の画力です。
鉄棒に跳び箱、素晴らしいですね。原先生の体操の授業中、お父様お母様のS君を見守る温かい眼差しを思い出します。
学園の素晴らしい自然と学習環境の中、S君が頭も心も体もフルに使って頑張っている姿が目に浮かびます。これからもずっとS君の健やかな成長をお祈り申し上げます。
小西夏織